01
世界観
world view
現代日本とほど近い世界。地名などは実在するものを使用してもいいが、それによって発生した問題などの責任はとらないものとする。
なお、目や髪の色などは現実と即しておらず、いわゆる2次元キャラクター的なデザインをしていても違和感のないものとする。
また、科学技術は現実よりも発展しているが、基本的な生活様式に変わりはない。まだ現実世界で実現されていないような技術は研究段階であり、一般化はされていない。または人智を超えた技術であるため国ぐるみで隠匿されている。
舞台は蔓歌(読み方:つるか)研究所の中でも限られた人間しか立ち入ることのできないガーベの研究室。
表向きはアンチエイジングの研究をしている。医療的な分野でも化粧品の分野でもその技術を提供している。
所長夫妻の娘である蔓歌せら、蔓歌ろこも将来はここで働きたいと思っており、簡単な作業などを手伝っている。
裏の顔は不老不死の研究。厳密に言えば、「死んだ後別の生命体を入れることによって動くのであればそれは不死になるはずである」という思想の元に、新鮮な死体を動かすための寄生虫の開発をしている。
この研究には大手企業や財閥、国からの支援を受けて行っているため、勝手に研究をやめることなどはできない。性質上世間に公開できるはずもないため、万が一外部に漏らすようなことがあればどうなるかわからない。
この寄生虫の研究をしている部門は「表向き何をしているか分からず成果もあるように見えないため、研究所内のガラクタ部門だ」という揶揄から「ガーベの研究室」と呼ばれている。
02
メイン舞台
main stage
03
寄生虫について
parasite
本研究で目指す寄生虫は、
・死後数日以内の死体に寄生したとき、「生き返った」と錯覚するほど元の人間の行動を行う
・死体の腐敗などが進んでいた場合寄生虫自身の力によって治癒される
・人格、記憶、癖、クオリアなどは完全に引き継ぐ
・自分は「身体の持ち主だ」と寄生虫自身が思い込む(寄生虫であるという認識がない)
・怪我はひどいものでない限りその場で治癒される
・現代医療を受けられる身体を維持する(寄生虫自身が身体を作り変えすぎない)
・身体本体がひどい損傷を受けた場合のみ死亡する(死の手段を残す)
以上を満たすものを満たすものである
本研究室で開発し、
実際に生物への寄生が成功した株は3種類存在している。
01. グロトリア(現在は保管用個体以外廃棄済)
体長:全長10cm~15cm程のうねうねとした紐状の有機体。
外見:細長く、伸びたり縮んだりを繰り返す。百足に似た、肌を沿うような無数の脚が蠢く。顔面に当たる部分は触手状で、吸盤や鋭い針が存在している。形容するなら腸の一部を切り離したものが動いているように見える。
傾向:基本攻撃的だが、適当に閉じ込めておけば問題無い。生き物が簡単に触れようものなら皮膚を突き破って中に入ろうとするため、取り扱う際は十分な装備を用意しなければならない。
寄生手段:皮膚を突き破る、どこかの穴から入り込む。
備考:研究のかなり初期段階で開発された種。その寄生手段から、宿主への精神的、肉体的りすくが非常に高いため、大抵はのたうち回って死亡する。奇跡的に寄生が成功しても、すぐに死んでしまうため使い物にならなかった。最初はこんなものだろう。
現在:今後研究するにあたって使用する可能性があるため、保管用個体数体のみ残している。それ以外は全て処分済。
02. グロティス(現在この種の研究は凍結されている)
体長:可変型。1cm~100cm程度なら自由に体長を変えられる。
外見:一般的に知られるもので例えるならアメーバに近い。薄いシート上にもなれる半透明の有機スライムのような存在。内側に螺旋状の筋繊維が走っており、見ると頭痛がするような動きをする。
傾向:攻撃はしてこないが、自己意思があるように動く。ごく薄い塩酸水をかけると小さくなるが死にはしないため、保管時は塩酸水の中に放り込んでおく。
寄生手段:寄生先の口、鼻、目、傷口いずれかから入り込む。
備考:数年前まで第一線で研究、実験を行っていた成功体。最新のグロティスβ-7はあらゆる動物実験を行なったが、いずれも成功している。事前にいくつか技、指示を覚えさせていた動物は教えた技を問題なくこなした。また、以前よりも格段にこちらの言う事を理解していたので頭脳も上がっていたように思える。稀に虹彩の色が変化する事例が発生していた。しかし死体の腐敗した箇所の治癒は行われなかったため、引き続き研究を進める予定であった。人体実験を行おうとした際、現行種であるルメニア種が完成したため現在グロティス種の研究は凍結されている。なにが「いずれも成功している」?? よくそんなこと言えるね。わたしたちは、「じぶんが寄生虫である」という自覚があるし、継承された記憶に対してクオリアも持ちわせてない。どの記憶も思い出せはするけど、経験した実感は伴ってないの。こんな重大な問題があるのにそれも確認しないままなんて。人体実験の大切さがよくわかるね。まあ、今はもうルメニアがいるからいいみたいだけど。本当にそんなにずさんで大丈夫?あなたたちがもっとちゃんとしていれば、わたしはこんなにくるしくなかったはずなのに。
現在:今後研究するにあたって使用する可能性があるため、保管用個体数体のみ残している。以前の種類(α全種~β- 6)は全て処分済。
03. ルメニア
体長:1cm~2cm程度の螺旋状の微細構造体。
外見:二重螺旋構造の微細構造体で、DNAの構造と似ている。虹色に光り少し脈動している。無風でも浮遊しており、どのような規則で動いているかは不明。通常肉眼で見ることはできず、特殊加工を施したレンズを通してのみ視認できる。しかし例外として、
・脳になにかしら特殊な損傷がある
・極限状態の意識体験をしている
・死の間際
・?????????????
・既にルメニアに寄生されている生き物(実験体二体による証言アリ)
以上にあたる生き物は肉眼で視認することができる。
傾向:死体があると一直線に寄生しにいくが、そうでない場合は風などがあってもそれを無視してその場でふわふわと浮遊している。明確な意思などがあるようには見えない。死体以外のものは通り抜けられないので、透明で隙間のできない入れ物か何かに入れておけばその中で浮遊する。
寄生手段:陽炎のような空気の揺らぎが起こる。直後死体がピクリと動く。これが唯一の寄生成功の兆候である。
備考:ここ1年半ほど前に突然完成した。動物実験で問題がないことを確認してから行なった人体実験(xxx山にて発見した弦音セレネの遺体によるもの)では虹彩が虹色になってしまうこと以外は本研究所が目指すものと遜色のない出来となり、実験は成功した。今後も研究を続け、虹彩の問題を解決するよう努める。当分の間は手術で瞳の色を元のものに戻すことで手打ちとする。あ、このヒトたちきづいてないんだ! じゃあアイビーちゃんたちがわかったこと書いちゃお~~! ルメニアとグロティスには今まで書かれてたのに加えて、思考力? 頭の良さ? がめ~~ちゃ上がるよ! セレネみたいに普通にルメニアに寄生されたときは本人が望まない限りこの兆候は見られないみたい。そもそもイレギュラーなアイビーちゃんやまだ寄生虫としては不完全だったグロティスβ-7に寄生されたろこは、本人が思ってる天井よりもよっぽど頭が回っちゃうみたい! これ言ったほうが良いんだろうけど、そしたら警戒されちゃうかもだから直接は言ってあげな~~い♡自分で気づけよな! アイビーちゃんに研究成果負けちゃうざこざこ研究者さんたち♡ あ、あとはあ~~、通常グロティスとルメニアに寄生された人間は多分元の人格よりも良い人間関係を構築することができたり、自分にとって利益の得られるような合理的な立ち回りをすることも簡単になるよ。セレネがすぐ人間不信克服しちゃったのもこれかもね。それで多分……体内で寄生虫を増やしてる。この間セレネの周りに飛んでたルメニア捕まえて調べたら、明らかに研究で出来上がった個体じゃなかったよ。あれは生きた生き物にも寄生できる。あの子が吐き出したグロティスもそうだった。こわいね~、流石に報告した方が良いの? でもな~、それでセレネたちがいなくなったらやだから、やっぱ言ってあげない!
現在:今後はルメニアを主に研究を進める。進化した個体が完成次第人体実験を行う。どこかから遺体を持ってくる必要がありそうだ。
↑現時点で最新の株であるルメニアα-1